ライター初心者へ送る~2章~

第二章では文章の書き方の基本について触れます!

文章は内容を把握する為だけにあるのではありません。

人間は読んでいる間も、脳と耳、目を利用し立体的に情報を獲得し内容を把握します。

具体的に表すと以下のようになります。

  1. 脳→意味の理解:誤字脱字や文法、表現
  2. 耳→字面での理解:文字や文法の重複、地面的な違和感
  3. 目→語呂での理解:頭の中で音声変換した際の違和感

上記3つの項目を確認する作業が大切です。今回はこの三つについて詳しく説明します!

 

1⃣重複チェック

2⃣構造チェック

3⃣見た目のチェック

4⃣最終確認

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1⃣重複チェック

重複は単語レベル、文節レベル、文型レベル、段落レベル、記事レベルといった様々なスケールから修正する必要があります。

・単語レベルの重複

(例)「の」「では」

二回まではセーフだが三回以降はくどい文章になるので書き換える

 

・文節レベルの重複

(例)~しての重複

動詞の選び方を変えたり、助詞終わりにするなど散らす工夫をする

 

・文末の表現を統一し過ぎない

(例)~しました、~しました、~しました

      ~方法、~で開催、~が決定

「~しました」が三回も続くと小学生のような印象になりがちです

体言止めで統一し過ぎるのも感情のない文章になってしまうので多用し過ぎに注意しましょう

 

・文型や段落単位の重複

(例)今日はお昼を食べてから、医者に行く。明日は夕食を食べてから、テレビを見る。

文の構成が重複しています

構成に意図がなければバラしてあげるのが一般的です

段落での重複も、同じような構造の段落を繰り返さずにダブりを排除するように心がけましょう

 

2⃣構造チェック

・主語、述語の把握

(例)弟が「ダンスのコンテストがあるから動画を送るね」とメッセージを送ったので楽しみに待っている。

(改善文)弟から「ダンスのコンテストがあるから動画を送るね」とメッセージが送られたので、親が動画を楽しみに待っている。

 

受動態を用いて前半部分のアクションを起こした人物を明確にし、後半の主語を補うことで誰が楽しみしているのかがより明確になりました!

 

・主語、述語、修飾語、被修飾語の係り受けを把握

(例)単文:弟がダンスをする

   重文:弟がダンスをし、私が撮影する

   複文:私は弟がダンスコンテストで優勝するのを期待しています

複文とは主述中に主語と述語が含まれた入れ子状態になった文を指します

※メインの主語・述語を「主節」、入れ子いなった方を「従属節」と呼ぶ

 

・かみ合わせを確認

【かみ合わせが複雑な場合】

一旦すべての文を単文にする

【かみ合わせがぶつ切りに感じた場合】

単文だとぶつ切りナウン賞に感じる場合は一部を複文にしてみる

 

・読点で区切る

読点をつけることによって音読した際もスムーズに息継ぎができるようになります

また、平仮名が続く場合等の見た目のバランスを整える際にも読点は利用できます

 

3⃣見た目のチェック

・漢字と仮名のバランスの調整をする

読みやすさを重視して漢字と仮名を多く使用し過ぎない、バランスの良さを追求しましょう

 

・仮名を開く、閉じる

(例)「とき」「ところ」「もの」等の形容詞の代表格は実用的な文章では基本的に仮名開きにします

 「~ということ」「読んでいる」等の形式動詞は基本的に仮名を開く

 「歩み寄る」「書き殴る」「開き直る」等の本来の意味を失わずに使用されている同氏は複合動詞と言われ閉じたまま使用します

 

4⃣最終確認

・誤字脱字がないか

 

・事実の再確認

「国内初」「世界第一位」等の最上表現の事実確認

表記数字の再確認

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以上4つの項目を押さえることによって脳、耳、目利用し文章を立体的構成することができます。

完読させるための基本スキル4つぜひ押さえてみてください!

 

参考: 唐木 元『新しい文章力の教室 苦手を得意に変えるナタリー式トレーニング』(インプレス、2015/08)